EOS Kiss Mは、いままで一眼レフカメラのブランドであったKissシリーズの名を受け継いだ初のミラーレスカメラ。
Kissシリーズはキヤノンのエントリー向けのカメラとして発売されているシリーズです。初心者向けの機能が充実していること、比較的低価格なことから最初に買うカメラとして人気があります。
しかし、EOS Kiss Mは使ってみると玄人がうなる機能も豊富に搭載されたモデルでした。
EOS Kiss M のおすすめポイント
約2410万画素のAPS-Cセンサーによる画質
EOS Kiss Mはサイズの大きなAPS-Cセンサーを搭載しており、その画素数は約2410万画素。
スマホでは撮れない、拡大しても滑らかで美しい写真を撮りたいのであれば、EOS Kiss Mは十分すぎる画質を持っています。
Kissシリーズ最軽量・しっかりコンパクト
EOS Kiss Mはファインダーに像を届けるためのミラー機構を省くことで、前モデルといえるEOS Kiss X9から大幅な小型・軽量化に成功し、約390gとKissシリーズ最軽量。
他のミラーレスカメラとの比較で驚くような差ではありませんが、レンズ含め片手に乗っかるコンパクトさでシステムが組めます。
電子式ファインダーを搭載している
EOS Kiss Mは電子ビューファインダー(EVF)を搭載しているので、これまでの一眼レフのようにファインダーをのぞいて撮影することができます。
さらにこのファインダー、電子式であるがゆえに明るさや色調などを反映しながら表示してくれるので、シャッターを押す前から写真の仕上がりが確認できます。
キヤノンのミラーレスラインナップのEOS Mシリーズの多くはファインダーを搭載していないので、ファインダーを覗いて撮るスタイルにこだわりがある方には、EOS Kiss Mは有力な選択肢になります。
操作性の良いボタン配置
EOS Kiss Mは、ダイヤルやボタン類がカメラの右側に集められています。
撮影時、左手をレンズから手を離してボタンを押さなければならないのは結構面倒なのですが、EOS Kiss Mは右手だけで操作が行えます。
EOS Kiss Mは機能もすごい
フォーカス性能が優秀になった
AF測距エリアが大幅に拡大。最大143点
EOS Kiss Mでは被写体との距離を測定するAF測距点がセンサー面の横約88%、縦約100%のエリアで最大143点。画面いっぱいのAF測距点から自由自在に選べます。
瞳AFを搭載
瞳AFとは、画面の中から人物の顔を検知しその瞳にピントを合わせてくれる機能。EOS Kiss Mは設定によりこの素敵な機能を使うことができます。
EOS Kiss Mではシャッター半押しでピントを固定する「ONE SHOT」モードでしか使えないのが残念。
AF追従も強い
動いている被写体にピントを合わせ続けるサーボAFで、最高約7.4コマ/秒の連続撮影が可能です。
勝手に被写体を追いかけながら結構な速度で連写してくれます。動きものの撮影ではかなり心強いです。
上位機種並みの高速連写
Kissシリーズ最軽量を実現しながら、EOS Kiss Mは「ONE SHOT」モード時連続撮影速度約10コマ/秒の連写性能を備えています。単純な連写速度で言えばこれはスポーツ写真などに用いられる上位モデル、EOS 7D Mark2と同等の性能。
出かけた先で友達や子どものスナップ写真を撮る際も、シャッターチャンスを逃すことなく撮影することができます。
定番で便利なバリアングル液晶
Kissシリーズでは定番となったバリアングル液晶を搭載。高いカメラ位置からの撮影も低い位置からの撮影も楽々行えます。
4K動画にも対応
EOS Kiss Mは4K動画の撮影も可能。撮影した動画からは好きなタイミングで静止画を切り出せます。
つまり動画回しっぱなしにしておけばとりあえず写っている写真が撮れるということ。
操作ボタンのカスタマイズが自由
EOS Kiss Mは、操作ボタンに自分の好きな機能を割り当てるカスタマイズの自由度が高く、設定から細かく変更できます。
今までのKissシリーズではここまで自由なカスタマイズができなかったので、大きな変更点です。
キヤノンカメラに慣れた人であれば好きなカスタマイズに変更してかなり使い倒せるはず。
静かな場所の雰囲気を壊さない無音シャッター
EOS Kiss Mには、撮りたいものに合わせた設定が割り振られているスペシャルシーンモードが用意されています。
スペシャルシーンモードの中のサイレントモードがおすすめで、シャッター音なしで撮影することができます。静かなのではなく驚きの無音。
静かな場所でもでシャッター音を気にする必要がまったくありません。
EOS Kiss Mの気になるポイント
ファインダーと液晶画面の自動切り替え
EOS Kiss Mは電子式のファインダーを搭載し、液晶画面とファインダーで表示先を切り替えて撮影することができます。
画面表示の切り替えをファインダー横のセンサーで自動で判断してくれる自動切換え機能は便利ですが、このセンサーが手やモノにも反応するほど敏感。
タイミングによってはシャッターチャンスを逃すことがあります。
表示先設定から液晶画面かEVFのどちらかのみを選択しておけば、突然切り替わることはありません。
対応しているEF-Mレンズがまだ少ない
2019年9月現在、発売中のEF-Mレンズは7種類となっています。広角から望遠までのズームレンズはそろっていますが、単焦点レンズは少ないと感じます。
EF-Mレンズが使える機種であるEOS Mシリーズが増えると同時に、新たなEF-Mレンズが発売されることに期待です。
フルサイズ向けのキヤノンレンズが使えるマウントアダプター
EOS Kiss MはEF-Mレンズを直接使うことができますが、別売りのマウントアダプターEF-EOS Mを介することで、キャノンフルサイズカメラ用のEFレンズやAPS-C向けのEF-Sレンズが装着できます。
キヤノンユーザーのサブカメラに、大きなレンズと小さなボディのギャップを楽しむことができます。
バッテリーのもち
一般的に、ミラーレス機は一眼レフに比べてバッテリーのもちが悪いといわれています。
ミラーレスになったことで一番心配なのがバッテリー。公式スペックでは以下のようになっています。
使用電池 | バッテリーパック LP-E12 |
---|---|
撮影可能枚数の目安 | 常温(23℃)約235枚 |
動画撮影可能時間 | 常温(23℃)約1時間25分 ※フル充電時 |
EOS Kiss Mのバッテリーはお散歩に持ち出す程度であれば問題ないはずです。日帰り旅行となるとおそらく厳しいでしょう。
本格的に撮影する方は予備バッテリーを購入したり、電力を使うスマホとのWi-Fi・Bluetooth接続をこまめに切ることをおすすめします。
EOS Kiss Mの価格
EOS Kiss Mの価格は、ボディのみで6〜7万円ほど、ダブルズームキットは8万円程度になっています。(2020年3月現在)
望遠レンズが特に必要でないのなら、明るい単焦点レンズ「EF-M22mm F2 STM」がついたダブルレンズキットがおすすめ。
EOS Kiss Mのスペック
記録媒体 | SDカード |
センサーサイズ | APS-Cサイズ |
使用レンズ | キヤノンEF-Mレンズ群 (マウントアダプター使用時 EF、EF-Sレンズ群) |
画素数 | 約2410万画素 |
電子ビューファインダー | 画面サイズ:0.39型 画素数:約236万ドット |
ISO感度 | 100〜25600 拡張51200 |
フリッカー低減 | なし |
多重露出撮影 | なし |
シャッタースピード | 1/4000~30秒 ストロボ同調1/200 |
ドライブモード | 1枚撮影 高速/低速連続撮影 セルフタイマー (10秒/2秒/連続撮影) |
連続撮影速度 | 最高約10.0コマ/秒 |
ライブビュー | 顔+追尾優先AF ゾーンAF 1点AF タッチシャッター |
動画撮影機能 | 記録形式MP4 記録サイズ4K・Full HD他 |
Wi-Fi機能 | ・スマートフォン 画像の閲覧・操作・受信 ・プリンター ・他 |
使用電池 | ・バッテリーパック LP-E12 |
大きさ | 116.3×88.1×58.7mm |
重さ | ブラック:約387g ホワイト:約390g |
EOS Kiss Mは日常使いのお供にしたい
EOS Kiss Mに採用されているMマウントは、レンズの種類は少なくても、望遠・広角・単焦点レンズと一通りそろっています。
カメラは小さくなってもレンズ交換を楽しみたい方やスマホから一歩進んだ写真を撮りたい方におすすめです。
フルサイズ用のレンズも使える、というのも大事なポイント。自由の利くカスタマイズで、玄人が使い倒すのも面白いでしょう。
高機能で小型・軽量を実現したEOS Kiss Mは、その手軽さで普段から近くに置いておきたい1台です。
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