EOS 7D Mark2は先代のスポーツ撮影特化モデルとも言えるEOS 7Dの後継機です。
フォーカスと連写の速度にこだわるスタンスが受け継がれ、連写速度は秒間最高8コマから10コマに、AFエリアは19点から最大65点にレベルアップしています。
フルサイズよりセンサーの一回り小さなAPS-C機で、よく望遠を使うスポーツ撮影ではメリットが大きいでしょう。
その堅牢なボディから本格的な撮影でハードに使うモデルの印象があります。
EOS 7D Mark ii(7dm2)の注目ポイント
高速連写は受け継がれている
一般的に画素数が上がると画像のデータ量が増える関係で連写には不利になりますが、連続撮影速度は先代の最高約8コマ/秒から約10コマ/秒へと進化し、スポーツやカーレースなどの動きもの撮影に一層磨きがかかりました。
万能機である5D Mark4の連続撮影速度が約7コマ/秒であることを考えると、7D Mark2がいかに連写速度にこだわっているかがわかります。
ほどほどに抑えた画素数
EOS 7D Mark2は先代の7Dに比べ、有効画素数が約1800万画素から約2020万画素へとアップ。
フレーミングが難しい動きもの撮影で、あとでトリミングしたいときに画素数の余裕が出てきます。
2020万画素というのはスペック的には決して高くありませんが、画素数が増えると連写に不利になること、連写すると撮影後のデータが膨大になることを考えると、データ量を抑え、EOS 7D Mark2の使用シーンに合わせた画素数と言えます。
高感度&フリッカーレス機能で屋内でも快適
先代に比べ高感度撮影が可能に
新型7D Mark2では常用ISO感度が100〜16000まで設定可能。先代がISO6400までだったので、1段分以上明るく撮影できるようになりました。
先代のEOS 7Dが暗い場所に弱かったので、ISO感度アップは7Dユーザーの悲願でしょう。
ISO感度を高く設定することで、暗所でもより速いシャッタースピードで被写体のぶれを抑えて撮影することができます。
蛍光灯環境下でも確実に撮影できるフリッカーレス機能
蛍光灯やLED、タングステン光などの人工光源は点滅しているため、速いシャッタースピードで撮影すると明るさや色にばらつきが生じてしまいます。
このばらつきを抑えるのがフリッカーレス撮影。光源の点滅の周期を検出し、光量が最大となるタイミングでシャッターを切ってくれます。体育館や屋外競技でのナイターを撮影するときには欠かせない機能となるでしょう。
広範囲センサーで使いやすくなったフォーカス性能
新型EOS 7D Mark iiはフォーカスポイントを65点と大幅に増やし、ファインダー内の広範囲でピント合わせができるようになっています。
スポーツ撮影に特化したモデルとしてオートフォーカスの速度が売りだった7Dですが、先代のフォーカスポイントは19点。細かいピント合わせが必要なときに使いにくいシーンがありました。
EOS 90Dとの違いは何か
7D Mark iiはいいカメラですが、大衆向けとしてはオーバースペックな部分があります。クルマやバイク、または各種スポーツ撮影に耐え、尚且つAPS-Cサイズのセンサーというのはちょっと尖った性能です。
そこで経営陣は最終的に、一眼レフのAPS-C機をより広いターゲット向けの90Dに一本化したのでしょう。軽くてバリアングル液晶の90Dは、扱いやすさで7D Mark iiより有利な面があります。
スペック上のファインダー撮影時の連続撮影速度は同じ秒間約10枚で、90Dはライブビュー撮影の連射速度が秒間約11枚。ほぼ同じ。
堅牢性の7D Mark iiか、扱いやすさの90Dかの判断になるかと思います。
EOS 7D Mark iiスペック
記録媒体 | CFカード・SDカード |
センサーサイズ | APS-C |
使用レンズ | キャノンEFマウント ・EF-Sマウント |
画素数 | 約2020万画素 |
ファインダー | 光学式 |
ISO感度 | 100〜16000 拡張51200 |
フリッカー低減撮影 | 可 |
多重露出撮影 | 2〜9枚 |
シャッタースピード | 1/8000〜30秒 ストロボ同調1/250 |
ドライブモード | 1枚撮影 高速/低速連続撮影 静音1枚/連続撮影 セルフタイマー10秒/2秒 |
連続撮影速度 | 最高約10.0コマ/秒 低速連続撮影約3コマ 静音連続撮影約4コマ |
ライブビュー | 顔+追尾優先AF |
動画撮影機能 | 記録形式MOV・MP4 記録サイズFull HD他 |
Wi-Fi機能 | スマートフォンに画像送信 スマートフォンで遠隔撮影 他 |
使用電池 | ・バッテリーパック LP-E6N/LP-E6 |
大きさ | 約148.6×112.4×78.2mm |
重さ | 約910g |
EOS 7D Mark iiの価格・発売日
7D Mark iiは2014年発売。現在は生産終了しています。
APS-Cハイエンドレフ機とも言えるEOS90Dやミラーレス機のEOS R7の発売もあり、7D Mark iiかなり安くなっているようです。
中古価格は5〜7万円台のところもあるようです。(2024年10月現在)
2014年に発売された当初は20万円を超えていた価格もかなり手の届きやすいものになっていますが、すでに落ち着いてきているのでこれ以上の値下がりは期待しないほうが無難でしょう。
EOS 7D Mark iiは今が買いか
スポーツ撮影特化モデルの2代目である7D Mark iiは、そのフォーカス・連写速度から活躍できるシーンではその力を遺憾無く発揮します。
スポーツ、カーレース、飛行機、走り回る子どもなどの被写体を狙っていて、本格的に撮影する気持ちがあるのであれば、EOS 7D Mark iiは心強い相棒になること請け合いです。
裏を返せば、本格的な撮影に耐える堅牢性を確保するための重量や取り回しを考えたAPS-Cセンサーなどの特性から、不向きな撮影もあります。
かなり価格が下がっている背景には、本格的な撮影に耐えうる分、気軽には持ち出しにくいというジレンマがあるのかもしれません。
7D Mark iiは価格が下がっている今が買いですが、この状況はしばらく変わらないと思われます。購入を検討している方はじっくり判断するのがおすすめです。